ランチェスター

イギリス人のF・W・ランチェスターは、第一次世界大戦の頃、エンジニアとして戦闘機の開発に従事していました。彼は自分が開発した戦闘機が戦争でいかなる成果をあげるのかに興味を持ちました。その研究の結果、兵力数と武器性能が一軍の戦闘力となり、敵軍に与える損害量を決めることを発見しました。これがランチェスター法則と呼ばれるものです。元々は、経営理論ではなかったのです。このランチェスターの理論ですが、1970年代以降日本で活用されて、様々な企業が理論の実績に成功されたようです。
さらに、ランチェスターの法則の応用として、第二次世界大戦のとき、アメリカ軍が、戦闘力を敵軍と戦う直接的な力と、敵軍の後方を攻撃し敵が戦争をすることを困難にする間接的な力に分けて捉えることをしました。これは、ランチェスター戦略方程式といわれます。
ランチェスターといえば、ランチェスター法則とランチェスター戦略方程式が柱になっています。

ランチャスターとブランディング

ランチェスター戦略では、弱者は自分の持つ戦力が限られているため、広域戦ではなく局地戦や集中攻撃が有効であると説いています。これをブランディング に応用すると、絞り込んだ特定の分野に徹底的に注力し、勝ち目がないと判断した分野には力を注がないようにすることとなるのではないでしょうか。ブランディングとは、差別化のことなんです。ランチャスター戦略とビジネスの親和性があるということは、ビジネスってほんとうに戦争なんだなと思います。長く語り継がれる考え方には、人類普遍の原理が盛り込まれているはずなので、たまには、実践から距離をおいて思考にふけるのもよいのではないでしょうか。近頃は、孫子なんかも再び脚光を浴びていますね。